夫婦関係調整調停(円満)という仲直りにも利用できる調停の話し。

離婚のお話し

調停は経験者。ちょっとだけ詳しい管理人ムーです。
調停と聞くと、離婚に向けた調停?と思うかもしれませんが、調停っていろいろあるんです。

その中でも実は、夫婦関係を円満に解決する手助けしてくれる調停があるってご存知でしたか?

2人で話し合っても喧嘩ばっかり。でも離婚はしたくない

夫婦円満で無くなってきても、子供や家庭のためになんとか婚姻関係を継続したい、思っていたとします。ですが、2人で話していても堂々巡りであったり、ただただお互いの主張だけをぶつけ合い傷つけ合って、場合によっていは修羅場に。。。なんてことも。
そこで第三者を間に入れて話し合いをしよう、ということになったとします。ですが、お互いの全く無関係な第三者を間に入れるということは難しいです。例えばご両親や親族、友人に間に入ってもらったとしたら、結局はどちらかに感情移入してしまい中立的な話しにはなりません。さらに険悪になってしまう可能性もあります。
そんな時は、この夫婦関係調整調停(円満)はいかがでしょうか。

夫婦関係調整調停(円満)

夫婦関係調整調停には、(離婚)と(円満)があります。この(円満)の調停は、夫婦関係を回復するための調停です。
家庭裁判所の調停員という、人生の先輩であり、完全なる第三者の方に事情を聞いてもらい、アドバイスをしてもらえます。

夫婦が円満な関係でなくなった場合には,円満な夫婦関係を回復するための話合いをする場として,家庭裁判所の調停手続を利用することができます。

 調停手続では,当事者双方から事情を聞き,夫婦関係が円満でなくなった原因はどこにあるのか,その原因を各当事者がどのように努力して正すようにすれば夫婦関係が改善していくか等,解決案を提示したり,解決のために必要な助言をする形で進められます。

 なお,この調停手続は離婚した方がよいかどうか迷っている場合にも,利用することができます。

裁判所webサイトより
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_07_02/index.html

1200円で申し立てできる

なんと!たったの1200円で、夫婦関係調整調停は申し立てできるのです。
(プラス連絡用の郵便切手代約1000円程度と戸籍謄本代)で3000円以内で済みます。
民間の夫婦関係のカウンセリングですと、相場は1時間で5000円から1万円程度。それを考えたら破格です。

夫婦関係調整調停(円満)の申し立て方法

まずは管轄の家庭裁判所で申し立て手続きを行います。戸籍謄本と必要書類を提出します。書類は裁判所でもらえますが、その場でささっと書ける内容ではないので、事前に書類をダウンロードして記入する内容を下書きしておくとスムーズです。自分用、相手方用、裁判所へ提出用の3枚が必要です。裁判所でもらえる用紙は3枚複写になっています。

切手や印紙は建物に入っている売店でも購入できます。戸籍謄本は持参します。わたしの経験上は窓口の方はとても親切で書き方など分からないことは丁寧に教えてくださるので、分からないことは窓口で質問してみてください。

申し立てをすると、約2週間ほどで双方宛に裁判所から書類が届きます。相手方は急に裁判所から書類が届いたらびっくりすると思うので、事前に「円満に話をするために、調停することにしよう」と話をしておくと良いと思います。
ちなみに調停は弁護士を通さなくても、個人で全て完結できます。もちろん弁護士を通しても大丈夫です。(その分費用はかかります)

夫婦関係調整調停(円満)の流れ

裁判所から呼び出しの日時指定がありますので、その日に指定の場所へ行きます。待合室は調停の申し立て側と相手方と別の部屋になります。相手方と話し合いで顔を合わせることは基本的にありません。(道でバッタリとかは。。。)
時間になると番号で呼ばれますので、呼ばれたら指定の部屋へ行きます。部屋には調停員さんが2名いらっしゃいますので、調停員さんの質問に答えたり、自分の主張を話したりします。大体30分くらい。


自分のターンが終わると、今度は相手方と交代になり、自分は退出し、相手方が部屋へ入ります。その時々によると思いますが、1ターンで終わるときと、2ターン目に入って、次回の日程調整などをして終了となります。大体2時間ほどかかります。

第一回目で終了となるか、数回行うかは内容とお互いの意志によりますが、2回から4回の話し合いが行われます。次回はいつにしますか?と相談して決めますが、大体1ヶ月に1回程度のスパンです。

当日その場で何を話すかを考えていると時間が足りなくなってしまうので、事前にどんなことを話したいのかをまとめておきましょう。証拠など見せたいものがあれば持参しましょう。

夫婦関係調整調停(円満)は、夫婦関係を改善する方向で話し合いがまとまると、調停成立ということになり、調停調書が作成されます。

最後は相手方と同席して、裁判員の方と内容を確認して、終了となります。

ただ、「暴力は振るわないで」「お酒は飲まないで」「ギャンブルしないで」「浮気しないで」など行動的なものは調停で「今後はしません」と言っても抑止する効力はないので、結局は相手次第になってしまいますが。。。
「生活費を○円入れます」というものに関しては、調停調書が効力を発揮し、相手方が不払いになった時には相手方の財産を強制執行してもらえます。当分別居、という形で合意することもあります。その場合は生活費や子供がいる場合は面会交流についての取り決めも行います。

残念ながら調停不成立に終わってしまった場合で、離婚の方向へ舵を切るようなら、夫婦関係調整調停(離婚)へ進む、という選択肢も出てきます。

夫婦関係調整調停(円満)のメリット

メリットは圧倒的に、冷静で中立な立場の調停員さんの意見をもらえること。夫婦関係の話し合いに経験豊富な第三者が、客観的で良識ある常識的な意見をくださることは、双方にとってとても良いことです。費用もとても低価格なので、こんなコスパの良いものはないな、と、私は思います。

夫婦関係調整調停(円満)のデメリット

デメリットは、同居の場合、調停が終了するまで数ヶ月かかるので少し気まずい、です。ですが、せっかく調停をしているのに自宅で喧嘩していたら意味がないので、「調停で話しましょう」と言って、なるべく喧嘩などせず過ごし、話したい内容はメモをとっておきましょう。
他には、調停に出席する日は平日の昼間なので、仕事の調整も必要です。そこは有給使いましょう!

最後に

調停するって、敷居が高いイメージがあると思いますが、調停は弁護士がいなくてもできますし、費用もリーズナブルで、手続きも難しくなく、私的にはおすすめです。赤の他人、本当の第三者が間に入ってくれることは、双方にとって気づくことはたくさんあるはずです。2人で話しても一生終わらない感じがする場合は、離婚しかないかな?なんて思ってしまうかもしれませんが、例えば相手の行為は良くないことなんだよ、と第三者に言ってもらって、そこを直してもらえれば生涯添い遂げられるかもしれません。
私は残念ながら離婚してしまいましたが、私の両親はとても仲が良く今でもラブラブです。そういった夫婦は本当に素敵だと思います。一生ラブラブでなくても、添い遂げるって素敵なこと。離婚に踏み切る前に、夫婦関係調整調停(円満)試してみるの、いかがですか?

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